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仔犬の甘噛みの原因は?

仔犬が甘噛みするにはいくつか原因と理由があります。

 

仔犬を迎えて「さ~、これから楽しいドッグライフの始まりだわ」と心が躍りワクワクしているにも関わらず、WANちゃんが飼い主さんの手や足を噛んできて、楽しく遊べない、楽しく過ごせない、、、なんてご相談は結構多いんですね。

 

さて、では何故仔犬は飼い主さんを噛むのでしょう!?

まず、最初にお伝えしたいのは、犬はもともと噛む生き物だということです。
噛みたいという欲求が本能として備わっているんですね。
噛むという行為は犬にとっては自然な行動で、様々な理由から噛む行動を発動させます。

しかし、人と暮らす上で噛む行為は望ましい行動ではありませんね。
仔犬の甘噛みと言っても、仔犬の歯は尖っているのでかなり痛いです。。。
仔犬に噛んで欲しくないのであれば、まずは飼い主さんが仔犬が何故噛むのかを理解する必要があります。
犬が噛む理由はいくつもありますので、その理由や原因によって対処方法もアプローチ方法も違ってきます。

今日は仔犬が噛む理由の代表的なものをお伝えしたいと思います。

 

 

【犬の口はヒトの手と同じ役割】

犬は前脚でものを掴むことができません。
ですので、人が手を使うように口を使います。
モノを触ったり、調べたり、つかんだり、運んだり、引っ張ったりするのは、全て口を使って行うのです。
そのため、興味のあるものはまず口に咥えて確かめてみたり、噛めるなと思えば噛んで遊んでしまうことでしょう。
例えば、人間の赤ちゃんでも興味のあるものに手を出して触り、何でも口に入れたがりますよね。
その行為と仔犬のしている行為は同じだということです。

飼い主様が仔犬の前に手を差し出して噛まれてしまう、というシーンをよく見かけます。

しかし、それは仔犬からしたら「どうぞ」と差し出されたものなので、当然「なにかな?」「噛んで遊んでいいのかな?」と思い、手を噛みつくことでしょう。

人でも差し出されたものに対して、受け取りたくない理由がない限り「ありがと」と言って受け取りますよね。

人は手で受け取りますが、犬は口で受け取り、それが噛み行動に発展してしまうのです。

 

 

【コミュニケーションツールのひとつ】

犬同士のコミュニケーションや遊びは、噛みっこをしたりじゃれあったり、プロレスこっごや追いかけっこです。
相手を遊びに誘うのも、遊びを楽しむのも噛むという行為で相手とコミュニケーションをはかります。

ペットショップやブリーダーさんからお家に迎えられたWANちゃんは、ほとんどの場合、月齢2か月~5か月位の仔犬だと思います。
その月齢の子たちは、本来であれば母犬や兄弟姉妹犬と一緒に暮らし、群れの中で様々なことを学びながら成長します。
噛む力加減や遊び方なども「ここまでなら許される」「これ以上噛んだら叱られる」といった具合に仲間同士のコミュニケーションの中で学んでいくのです。
しかし、仔犬はそうした経験を積まずに飼い主さんの元にやってくるので、経験や学習が浅い為、コミュニケーションの取り方や遊び方を学んでいないだけなのです。
またヒトとの遊び方も学んでいないので本能的、感情的に行動をし、飼い主様を「噛んで」遊びに誘ったり、アピールしてきたり、意思表示をしてくるのです。

 

 

【狩猟本能】

犬は獲物を捕らえる捕食動物ですので、狩猟本能があります。
「動くものを追う」というのも、狩猟本能の一つでDNAに組み込まれている欲求です。
歩いている飼い主さんの足にじゃれついて噛んでくる、という行動を仔犬はよくしますが、それはこの「狩猟本能」が刺激されている為ですね。
またぬいぐるみやクッションなどを引き裂いて中綿を引っ張り出して楽しむという行為もこの「狩猟本能」の一つです。
要するに、犬にとっては「噛む」という行動は生きる為に必要な行動であり、コミュニケーションツールの一つなのです。

 

【歯がむず痒い】

仔犬の乳歯は3か月頃~8か月位の間に(犬種差や個体差があり1歳位の子もいます)永久歯に生え変わります。
歯が抜けたり、新しい歯が生えてきたりすると、どうしても口の中がむず痒くなります。
しかし、犬はヒトと違って自分の歯を手で触ることが出来ません。
そのため、何かで歯を刺激したいという欲求が働き、噛めるものを見つけては何でも噛んでしまうのです。

以上のことから、犬が噛むのは自然な行動であるということをご理解いただけたと思います。

では、人との暮らしの中で、仔犬が飼い主さんを噛んでしまう理由をいくつかお伝えしたいと思います。

 

 

◆飼い主さんの手や足を噛んだ方が面白い◆

遊びたいという気持ちのある中で、おもちゃではなく飼い主さんの手や足を噛んだほうが面白いと思えば、その行為を繰り返すでしょう。
とかく、人は噛まれた時に仔犬にとって面白い反応をしがちです。
「いたいいたい・・・」と高い声で言ってみたり、手や足を振り払ったり、「やめて~~」と言いながら、結果引っ張りっこになってしまったりですね。
また仔犬から逃げるという飼い主さんもいらっしゃるようですが、この行為は仔犬に「追いかけたい」という気持ちを働かせてしまいます。
こちらは結果追いかっけこ遊びになってしまっていますね。
仔犬からしたら、飼い主さんを噛んだら楽しい引っ張りっこ遊びや追いかけっこ遊びが始まった!と思うことでしょう。
噛んだら楽しいことが始まると学習してしまえば、仔犬はどんどん飼い主さんを噛んでくることになります

 

◆飼い主さんの手や足は遊ぶもの◆

おもちゃではなく、手や足を使って仔犬と遊ぶ飼い主さんもいらっしゃいます。
先述したように、仔犬は遊ぶ時には相手を遊びに誘ったり、相手の遊びに応える時は噛んでコミュニケーションを図ります。
手をひらひらさせたり、目の前で左右に動かしたりすれば、仔犬は「その手を噛んで遊んでいいんだ」と思ってしまうのです。
その行為を飼い主さんが繰り返していれば、手や足は噛んで遊んでいいものなんだと認識し、自分が遊びたい時には飼い主さんを噛んで遊びに誘ってくるでしょう。

 

◆退屈だったり、暇だったり◆

WANちゃんにとっても退屈や暇は苦痛です。何もすることがなければ飼い主さんを噛んで遊びに誘ってくるでしょう。
WANちゃんがケージから出ているのに、飼い主さんはWANちゃんの相手をしない、という方が多くいらっしゃいます。
仔犬がケージから出ている時は、飼い主さんはスマホを見たり、TVを見たり、本を読んだりと寛ぐことは出来ないと思って下さい。
仔犬をケージから出す時は必ず相手をしてあげなければなりません。
ケージから出ていて、退屈だな、暇だなと思えば、飼い主さんを噛んで遊びに誘ってくるのは、仔犬の感情としては極自然な気持ちですね。

 

◆嫌だ、やめてという気持ち◆

多くの飼い主さんは仔犬を可愛がるあまり、顔周りや体をわしゃわしゃと撫でたりします。
しかし、仔犬は最初から人に触られることに慣れていたり、好きなわけではありません。
飼い主さんは、仔犬を可愛がりたいという気持ちから撫でたり抱っこしたいと思うかもしれませんが、仔犬がそれを望んいない可能性もあるということに気が付いて下さい。
その気持ちに気が付かずに、繰り返しわしゃわしゃと撫でたり抱っこしたりすることによって「うっとうしい~」「やめて~」という気持ちから噛んでくるということは本当によくあることです。

 

◆不安や恐怖や嫌悪感◆

ケアの為に足ふきをしたり、歯磨きをしたりブラッシングをしたり、トリミングするのは健康上や生活上必要なことです。
しかしそれらの馴致トレーニングを行わず、こちらの都合でそれらをすると仔犬は「やめて」「怖い」という気持ちから飼い主さんを噛んで回避しようとするでしょう。
そして飼い主さんが噛まれたことにより、それらの行動をやめたとしたら、「噛めば嫌なことから解放される」と学習し、次からは噛んで回避行動をしてくるでしょう。繰り返し行い月齢が進むことによって、最終的にそれらのケアが出来なくなってしまうという結果になります。
一度「嫌だ」という気持ちから、噛んで回避に成功した経験を消去するにはとても時間がかかります。

 

◆所有欲◆

噛んで欲しくないモノを仔犬が口に入れた場合、無理やり口をこじあけモノを取り上げるという飼い主さんがたまにいらっしゃいます。
しかし、その行動は犬の所有欲を刺激し、「取られまい」という気持ちから飼い主さんを噛んでくるでしょう。
その行為を繰り返すことによって、飼い主さんは自分の大事なモノを取る人、飼い主さんの手は嫌なモノと認識してしまい、飼い主さんが手を出すと噛んで回避、もしくは拒否しようとするようになってしまいます。

犬の頃の甘噛みは1歳くらいで落ち着くと言われていますが、仔犬の頃に「噛んで意思表示」とすることを覚えると、成犬になってからも意思表示したいときに噛む行動をしてくるようになってしまいます。
また下記3項目は甘噛みではなく、本気噛みに発展する危険をはらんでいます。

 

 

いかがでしょうか?
以上のことから、仔犬が飼い主さんを噛む理由はほとんどの場合、飼い主さんに原因があることがお分かりいただけましたか?

飼い主さんは仔犬の噛む理由や原因を把握し、その理由や原因にあった方法で正しく対処してあげてくださいね。

次回は「噛まれない飼い主さんになる為に」をお伝えしたいと思います。

 

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