仔犬に甘噛みされない方法
仔犬の噛み癖は早いうちに直したいですよね。
前回「犬は噛む生き物である」ということをお伝えしました。
だからと言って、本能と感情の赴くまま噛ませておけばいい!というわけでは当然ありません。
犬の本能と感情に咬ませて噛みつくことを認めていたら、飼い主さんは年中傷だらけになってしまい大変なことになってしまいます。
仔犬と言えど、噛む力はそれなりにあり、歯も尖ってますから噛まれればかなり痛いですし、血も出ます。
また仔犬の甘噛みは1歳くらいで落ち着くと言われていますが、仔犬の頃に噛んで意思表示をすることを覚えると、成犬になってからも噛んで意思表示をするようになってしまいます。
そんな中では楽しいドッグライフどころではありません。
ヒトと犬が仲良く幸せに暮らす為には、お互いを理解し尊重しあい、そして協力することが必要です。
犬にはヒトのルールを教え、ヒトは犬とのルールを守らなければなりません。
今日は飼い主さんが守るべき、仔犬の甘噛みについてのルールをお伝えしたいと思います。
一番大事なことは、「どうしたら噛まなくなるか」や「噛まれたらどうしたらよいか」ということより、まずは「どうしたら噛まれないか」ということを考えて、工夫することです!
噛まない仔犬を育てる為には、飼い主さんが「噛まれない飼い主になる」ことが最重要課題なのです。
◆子犬はエネルギーに満ちあふれています◆
<エネルギーを発散させましょう>
・子犬の集中力はもって10分~15分です。
短い時間でも集中して思いっきり遊んであげると心地よく疲れてぐっすり眠ってくれます。
日々の生活の中で、10分~15分遊ぶ、ケージでお休みする、10分~15分遊ぶ、ケージでお休みをするなどとメリハリのある生活を心掛けてあげましょう。
たくさん発散した後にお休みをすると脳によい刺激を与えてお休みができるので、学習能力の高い子に育ちます。
<オビディエンストレーニングやノーズワークでエネルギーを発散させる>
・エネルギーは必ずしも体を動かす運動である必要はありません。頭を使うことによってもエネルギーを発散できます。オスワリやマテ、オテなど様々な基本の躾を行う、オビディエンストレーニングや、おやつを隠して匂いで探してもらうノーズワークもいいかもしれません。
遊びの最中にヒートアップして興奮が抑えられなくなった時に、オスワリやフセなどを適宜織り交ぜ遊んであげることで、たくさんのエネルギー発散になります。
◆噛んでよいものを与えてあげましょう◆
・仔犬は噛みたいという欲求に満ちています。
飼い主さんが遊んであげられないとき、ケージに入ってもらっている時などに、
KONGや長持ちしやすい固めのおやつや犬用ガムを与えてあげましょう。
ケージで大人しくしていて欲しい時に与えておくと、噛みたい欲求を発散できます。KONGは中におやつが詰められるおもちゃで、おやつのおかげで食欲旺盛の子であれば飽きることがないのでおすすめです。
但し、ものすごい堅い蹄などはNGです。また破壊してそのまま誤飲してしまう、喉に詰まらせてしまうという危険もあるので、必ず飼い主さんの管理の元与えてあげてくださいね。
間違っても、与えっぱなしでお留守番をさせることはやめましょう。
◆手をおもちゃにさせないために、不必要に手を出さないようにしましょう◆
・これから飼い主さんと一緒に遊びを学んでいくと思いますが、
WANちゃんにとっての噛み行動は遊びの一種なので、一緒に遊ぶ時は、手をひらひらさせたり、目の前で手や足を左右に動かしたり、手を口の近くに持っていくなどの遊びはやめましょう。
WANちゃんと遊ぶときは、必ずおもちゃを介して遊びましょう。
・子犬の前に手を出したり、かわいがるつもりでも、「ほら、噛んでいいんだよ」と誘っていることになってしまうんですね。
乳歯が生える前はあまり痛くないので、指をしゃぶらせたりかませてかわいがる方もいらっしゃいますが、そうした行動は人を噛むくせをつけてしまいますので、できるだけ人を噛ませないように注意し、噛んでもいいおもちゃを動かしておもちゃを噛みたくなるように誘導することが大切です。
・おもちゃ遊びは「狩りの疑似体験」です。
おもちゃに命を吹き込むように、ニョロニョロと動かしたり、ゆっくり動いたり突然飛び出したり、隠れたり、、、などと動きに緩急をつけて遊ぶこによって、WANちゃんの狩猟本能を満たすことが出来ます。
WANちゃんが夢中になって遊べるように、飼い主さんも全力で遊んであげてくださいね。
◆おもちゃは与えっぱなしではなく、飼い主さんと遊ぶモノと認識して下さい◆
・よく「うちの子はあまりおもちゃが好きではないんです」「おもちゃにあまり興味がないみたいです」というご相談を受けますが、そうした飼い主さんの多くは、おもちゃを与えっぱなしにし、いつでも遊べるようにぬいぐるみやボールをお部屋の中に転がしてあります。
ぬいぐるみやロープ、ボールなどのおもちゃは、勝手には動きません。
与えっぱなしにしていれば、いずれ飽きてしまうでしょう。
そして、いつでも遊べる価値のないモノになってしまい、益々おもちゃに興味がなくなってしまうんですね。
ぬいぐるみやロープ、ボールといったおもちゃは、飼い主さんがしっかり管理し、一緒に遊ぶときだけ与えてあげましょう。
そうすることで、飼い主さんは一緒に遊んでくれる素敵な人!となり、おもちゃにも価値が上がり、夢中になって遊ぶようになります。
また、WANちゃんにも好みがあり、好きなおもちゃ、夢中になって遊ぶおもちゃは個々それぞれです。
貴方のWANちゃんの好みを見つけ、好きなおもちゃで遊んであげましょう。
◆飼い主様が構ってあげられる時だけケージから出しましょう◆
ケージから出ていてWANちゃんがフリーでいる時、飼い主さんが相手をしてあげなければ、WANちゃんは「遊ぼう」「構って」と噛んでアピールしてくるでしょう。
小さい子供を想像してみて下さい。
小さい子供をほったらかしにして、何もすることを与えなければ、イタズラをしますし、大人に構ってほしくて手を引っ張ったり、まとわりついてくることもあると思います。
賢い母親は、いつも小さい子供に何かすること、例えばお絵かきや塗り絵、またお手伝いなどと「やること」を与えてますよね。
仔犬も小さい子供と同じなのだと思って下さい。
そして、仔犬をケージから出しているときは、飼い主さんはTVを見たり、スマホをしたり、ゲームをしたり、本を読んだりと、ソファーで寛ぐことは出来ないと思って下さいね。
仔犬の時期はあっという間に過ぎてしまいます。嫌でも歳をとり落ち着いてくる時期が必ずやってきます。
それまでは、仔犬の貴重な時間を共有できる幸せな時間と考えて頂き、WANちゃんとしっかりと向き合い、たくさん遊んであげましょう。
◆噛んで欲しくないものは片づけましょう◆
仔犬には「噛んでよいモノ」と「噛んではいけないモノ」の区別はつきません。
噛んで欲しくないモノを片づけておく、WANちゃんの
手の届かないところに置いておくというのは、飼い主さんとして基本中の基本です。いつもお家の中が綺麗になって一石二鳥ですね。
いかがでしたでしょうか?
仔犬に「噛んではいけない」と教えるのではなく、まずは貴方が「噛まれない飼い主になる」ことが大事なんですね。
貴方とWANちゃんの幸せで素敵なドッグライフを心から応援しています
FBページ:「愛犬しつけ相談室」
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