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分離不安の対策

分離不安の対策と色々

 

 

今回は、分離不安のWANちゃんにどのように向き合っていったらよいか、ということをお話ししたいと思います。

まず貴方のWANちゃんが本当に分離不安であるのか、というのを見極める必要があります。

分離不安については、<分離不安とは>にてお話しさせて頂きましたね。

そちらをご確認頂き、再度「本当に分離不安?」という悩みを解消しましょう。

 

そして本当に貴方のWANちゃんが分離不安であった場合は、貴方の力だけでなんとかしようと思わないことが大事です。必ず行動診療獣医師と連携して行動改善を図って下さい。

 

そして忘れてはならないことが、『分離不安』とは、飼い主、すなわち群れのリーダーから引き離されることによって生じる問題であり、犬の退屈しのぎの行動ではないということです。

すなわち、一人っ子は退屈だろうからもう一匹犬を飼おう!という考え方は、何の効果もないということです。

「もう一匹飼おう」という発想は、退屈から問題行動を起こしている子の場合のみ有効ということです。(多頭飼いの基本に沿うこは必須)

 

分離不安に陥っているWANちゃんは、飼い主さんが出て行く度に声をあげたり、破壊行動を展開させたり、多動になったりします。

一方退屈に陥っているWANちゃんは、長時間放っておかれると破壊行動になったり、逃亡を試みたりします。

 

また分離不安のWANちゃんを罰することは逆効果です。

その行為自体に「注目された」「構ってもらえた」と飼い主さんの関心を引き付けたと勘違いし、むしろ報酬に繋がってしまいがちだからです。

 

また齧っていたものにタバスコやコショウをかけるとよい、と言った間違った情報がありますが、これも逆効果でしょう。

何故なら、それは問題の根本を取り除くモノではないからです。

そのようなことをしても、WANちゃんは破壊行動を向けるべく他の対象物を探し回るだけなのです。

 

対策① 飼い主さんに向ける依存心を和らげよう

飼い主に対する犬の依存心を和らげるために、若干の距離を置いて接することが大事です

撫でたりする時間を減らし、飼い主が在宅中でも犬を気にしない時間を作るようにしましょう。

可能であれば、ご飯は貴方からではなく、他人から与えてもらったり、また知育トイやノーズワークマットなどを上手に活用しましょう。

 

対策② 矯正中は破壊行動が出ないようにする

 

家具の配置や環境設定を整え、破壊するものを外しておく。

また短期間でよいので、ペットシッター、もしくは犬の幼稚園などを利用しましょう。

また適切な時間をクレート待機が出来るようにトレーニングしていくことも大事です。

 

対策③ 基本オビディエンスの強化を図ろう

 

基本トレーニング<オスワリ・フセ・マテ・オイデなど>を再度訓練し直し、強化を図りましょう。

いつでも、どんな時でも、必ず飼い主のコマンド一つでこれらが行えるようになることはとても大事です。

トレーニングは、何も犬に飼い主の言うことに従わせる為だけに行うモノではありません。

トレーニングとは、飼い主と犬との共同作業です。

ヒトの言葉の意味を理解していない犬と協力しあい、共同作業を行うトレーニングは、

犬との共通言語=信頼関係を作る大事な作業なのですね。

これは分離不安の子だけに有効なわけではなく、全ての問題行動に共通するものです。

 

対策④ エネルギー発散をしっかりと行いましょう

 

一日最低30分×2回のお散歩を心掛けましょう。

その他にも一緒に遊んだり、トレーニングをしたりして犬の有り余っているエネルギーを発散させてあげることで、精神的にも体力的に満足することが出来るでしょう。

 

対策⑤ 噛んでよいモノを与え、犬の本能を満たしてあげましょう

 

家財道具とは全く異なる、齧ってよいおもちゃを与えてあげましょう

ゴムリング、テニスボール、牛皮のチューイングガムなどがよいでしょう。

ウマの蹄のように硬いモノはNGなので気を付けましょう

外出前に齧るおもちゃを手でこすり、飼い主の匂いをつけて与えておくとよいですね。

そのおもちゃは、飼い主が外出の時のみ与える、とっておきのモノにしておいてあげるとよいと思います。

 

対策⑥ 矯正を開始する際の注意点

 

矯正を開始する際には、分離不安が出ないよう飼い主がしばらくの間、犬を連れて外出しましょう。

同時に矯正用の外出計画を立てます。

外出時には、録音テープを回しておき、犬の興奮が頂点に達し、消えていくのはいつ頃かを調べるのもよいでしょう。

大半の場合は、飼い主が家を出て20分ほどで頂点に達するでしょう。

 

対策⑦ 外出する前に行うこと

 

外出する前に最低15分は「オスワリ・マテ」「フセ・マテ」を繰り返し、それ以外は無視をしながら犬を落ち着かせましょう。

 

対策⑧ 疑似お出掛けの訓練をしましょう

 

疑似お出掛けは、出来るだけ本当にお出かけをする準備をしましょう。

洋服を着替える、女性の場合は化粧をする、カバンを持つ、鍵を持つ、など本物と同じようにすることが大事です。

その際に落ちついた様子の時にはご褒美を与え、不安行動にはご褒美を与えず無視をしましょう

始めは、短時間の外出(玄関をでたらすぐ戻る位の気持ち)から始めましょう。

 

対策⑨ 外出時はTVやラジオをつけっぱなしで出かけましょう

 

疑似お出掛けの際に新しい刺激を加えることも有効です。

例えば、TVやラジオをつけっぱなしにするなどです。

なんの関連付けも出来上がっていないこの刺激(TVやラジオ)を犬はより受け入れやすい、新たな外出形態と結びつけることが出来るようになるでしょう。

 

まとめ

 

以上が代表的な対策方法となりますが、どれか一つでもよいかもしれませんし、全て行う必要があるかもしれません。

それは、そのWANちゃんたちの分離不安度の頻度、強度によっても異なりますし、起こす行動(吠えなのか破壊なのか、自傷なのかなど)によっても異なります。

 

また分離不安症は薬物治療を並行して行うことが改善への近道です。

信頼出来る行動診療獣医師を近隣で見つけておくとよいですね。

不安があった場合は、出来るだけ早く獣医師に相談しましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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