犬の引っ張りを直したい
お散歩中の引っ張りを直したい!という飼い主さんはとても多いですよね。
小型犬ならいざ知らず、大型犬ともなってくれば飼い主のコントロールが効かなければ危険が伴います。
大型犬が本気になれば、人の力など微々たるものだからです。
引っ張りをさせずに楽しくお散歩をするためには、まずは引っ張りをやめさせることをトレーニングする前にやっておくべきことがあります。
常日頃のコミュニケーションはもちろんですが、アイコンタクトを完璧にしておくことですね。
飼い主さんの合図や呼び声で、WANちゃんがしっかりと振り向けるようになってることが第一条件です。
トレーニングはアイコンタクトに始まり、アイコンタクトに終わると言われる位、全てのトレーニングに通じるものですが、この「引っ張り防止」トレーニングもアイコンタクトが取れないと、順調に進むことが出来ません。
また最初にお伝えしますが、引っ張り防止のために「チョークカラー」を使うのはやめて下さい。
いまだに一部のトレーナーやブリーダーが、一般飼い主さんに「チョークカラー」を勧めていますが、一般の飼い主さんがお使いになることは絶対にやめて下さい!
チョークチェーンとは、引っ張った時に犬の首が締まる仕掛けになっている鎖状の首環のことです。
また鎖状でなく、チョークカラーというのもありますが、仕様は一緒です
引っ張った瞬間にグイっともの凄い力で引っ張り返し(チェックをかける)、犬に嫌悪感を与えて躾けるという道具の一つです。
これを行う時には、適切なタイミングで適切な力をもって行わなければなりません。
無暗やたらに引っ張ればよいという道具ではないのです。
熟練の訓練士たちが、警察犬や盲導犬などの使役犬を訓練するときには使うこともあるのかもしれませんが、それは人の命や自分の命を守る為の仕事をする犬であるからで、訓練するのもプロの訓練士たちです。
また何度もチェックをかければ効かなくなり、効かないからと何度も行うことで、眼圧が上がり、頸椎にも負担がかかり、身体的外傷を伴う大変危険な道具であるということを知っておいてください。
使役犬には必要な時もあるかもしれませんが、家庭犬である貴方のWANちゃんには全く必要のないしつけ方なのです。
もし、貴方のWANちゃんのトレーナーやブリーダーが「チョークチェーン」を勧めてきたら、その人は古い情報しか持っていない、勉強不足の人たちだと思って下さい。
犬に嫌悪感を与えてしつける方法は、今はよいとされていません。
飼い主との絆を作るのに不必要なものだということは、近年の研究で発表されているものです。
犬のしつけも日々アップデートされているのですね。
さて、ではお散歩中に引っ張り続けるWANちゃんに対し、どのようにトレーニングしたらよいかお伝えしたいと思います。
ステップ1
基本はWANちゃんが引っ張ったらその場で立ち止まることです。引っ張り返してはいけません。引っ張り返すことで抵抗反応が生まれ、WANちゃんも引っ張り返し更に引っ張りが酷くなるからです。
止まっているときは、脇を閉めてリードを持っている手を腰のあたりで固定し、動かないようにしましょう。
自分は電信柱になったつもりでびくとも動いてはいけません。
ずっと立ち止まっていることで、いずれWANちゃんは『何故進めないのだろう』と考え始め、少しリードが緩む瞬間がやってきます。
そうしたら、すぐに歩き始めましょう
ステップ2
ステップ1を何度も何度も繰り返すと、WANちゃんが引っ張り続けている時間が段々と短くなってきます。
そうしたら、立ち止まった時に舌呼でWANちゃんを呼んで振り向かせ、アイコンタクトを取りましょう。
アイコンタクトが取れたら、おやつでWANちゃんを誘い、飼い主さんの左でも右でもよいので横まで戻しましょう。
WANちゃんが飼い主さんの横まで戻ってきたら、おやつをあげて歩き始めましょう
ステップ3
ステップ2が出来るようになってきたら、ヒールウォークを教えましょう。
ヒールウォークとは飼い主さんの横について、歩調を合わせて一緒に歩くことです。
ステップ4
ヒールウォークが出来るようになったら、WANちゃんが引っ張った時に舌呼でWANちゃんを呼び戻し、ヒールウォークで歩き始めるように何度も練習しましょう。
WANちゃんが振り向いた、アイコンタクトを取った、横に戻ってきた、ヒールウォークで歩き始めた、などのWANちゃんがよい行いをした時は、すかさずすぐに褒めてあげることを忘れないようにしてくださいね。
最初はなかなかお散歩が進まないでしょう。
これじゃ、いつまで経ってもお散歩が出来ない、前に進めないと思うかもしれませんが、引っ張りをやめさせたいのであれば、(というかやめさせましょう)根気よく続けて下さい。
引っ張たら前に進めない、引っ張らずに飼い主さんの横を歩けば前に進めるんだ、ということをWANちゃんに学ばせてあげることが必要なのです。
このトレーニングを始めたら、お散歩は遠くへ行く、長く歩くことを目的とせずに黙々と同じことを繰り返すことが大事です。
少しずつでも前に進めればそれでよいのです。
繰り返し行うことで、いずれWANちゃんが「飼い主さんの隣で歩けば前に進めるんだ」と覚えてきます。
根気よく継続することで、飼い主さんが止まったらWANちゃんが自ら飼い主さんの隣に戻ってきて歩くようになりますよ。
して欲しくない行動をWANちゃんがやめる時は、WANちゃんが正しい行動を覚えた時なのです、
躾の基本ですね!!
頑張りましょう。
動画があるので、そちらもご参考下さいね。
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