保護犬の噛み癖が直った!
保護犬の噛み癖を直した、素晴らしい里親さん!
保護犬ピチュン、沖縄諸島の久米島から海を渡って伊豆へやってきました。
与那国馬の牧場主さんが里親になってくれた、とてもキュートでラッキーな男の子です。
今日は、そんなピチュンに会いに伊豆の国市へ行ってきました。
ピチュンは明朗快活でフレンドリー。
飛行場へお迎えに行ったときも、「ここが僕の場所」とばかりにすぐに車に飛び乗ったそうです。
里親さんにもすぐに懐き、新しいお家でも最初からそこが自分のお家だったかのように寛ぎ始めたのだとか!!
保護される前にどんな生活をしていたかは不明なのですが、少なくてもヒトに対して「嫌なイメージ」というのはなかったのだと思います。
また保護してくれた保護団体の人達からもとても優しくしてもらっていたことがわかりますね。
ただ、一点お困り事が。。。
フレンドリーで元気いっぱいの犬にはよくあり勝ちなのですが、ピチュンも例にもれず、甘噛みの行動が見られました。
特に、はしゃぐ子供に噛む傾向があり、里親さんもちょっと困ったなと思っていたそうです。
牧場の看板犬候補のピチュンの甘噛みは、牧場主さんからしたら確かに困っちゃいますよね。
お客さんのお子さんを噛んだりしたら、それが甘噛みであったとしても大ごとですから。
そこで、最初は子供に対して甘噛みをした時に怒っていたそうです。
「こら!噛んだらだめでしょ!!」っと言った感じでしょうか。
しかし怒られたピチュンはどうしたかというと、怒ったその時はやめるけれど、また同じ状況になったらまた噛むということを繰り返していたそうです。
はい、そうですね。そうなることは容易に想像がつきます。
この里親さんが偉かったのはそこからです。
怒っても意味がないんだということに早々に気が付いたんですね。
そして、何故噛むのかということにも気が付きました。
原因は子供だ!! そうなんです、原因は子供の行動なのです。
犬は元々噛む生き物です。
犬は人間のようには前脚を手のようには使いません。
人間が手を使うのと同じように、犬は手の代わりに口を使って様々なことをします。
モノを触ったり、掴んだり、運んだり、調べたり、ヒトが手を使ってすることを口を使って行います。
コミュニケーションツールのひとつとしても使います。
遊びに誘うのも、意思表示するのも口を使って噛む行動で表現してくるのですね。
また、犬は獲物を捕らえる捕食動物ですので、本能として「噛みたい」という欲求が備わっています。
「動くものを追う」というのも、狩猟本能でDNAに組み込まれている欲求です。
経験や学習がない犬は本能的、感情的に行動をします。
犬にとっては、噛むという行動は生きる為に必要な行動の一つなのです。
ですので、はしゃいだり、逃げたりする子供に対して噛むという行動は、犬にとってはごく自然な行動なのです。
ピチュンはまだ、ヒトとの遊び方(特に子供)を学んでいなかったので、犬同士の遊び方で子供たちに接していただけなんですね。
自然な行動をしているので、何故怒られているかを理解できませんし、反省もしません。ですので、また同じ状況になれば噛むという行動をしてくるわけです。
そこで、里親さんは犬に噛むことをやめさせるのではなく、子供たちに噛まれないように教えたのです。
ピチュンの前ではしゃがないように。
ピチュンから逃げないように。
ピチュンが来たらピタっと止まるように教えたんだそうです。
それを子供たちに教えてから、ピチュンの行動が劇的に変わったのだそうです。
素晴らしい対処方法ですね!!
さすがです!
長いこと馬と触れ合ってきたからこそ出来る、感性だと思いました。
動物側の気持ちや習性を理解した正しい寄り添った対処方法です。
犬が噛む原因のほとんどは(全てではありません)ヒト側にあります。
実は、ヒトが噛む原因を作っているのです。
犬に咬まれた、、、のではなく、犬に咬ませたということがほとんでです。
しかし、犬の噛み癖に困っている多くの方々はそれを「犬に咬まれた」「うちの子はヒトを噛む危険な犬」と考えがちなのです。
犬に噛ませておきながら、「噛んだからいけない子」と叱る人も少なくありません。
犬に噛まれた時の対処方法を考えるのではなく、まずは犬に噛まれない工夫をすることが大事なのです。
犬は犬らしく、ヒトはヒトらしく、一緒に仲良く暮らせるのが一番の理想ですが、その為にはお互い歩み寄りのルールが必要なんですね。
ヒト側の一方的な要望で、「噛んではいけない」と教えるのではなく、ヒト側も犬に噛まれない、犬に噛ませない工夫をしなければならないのです。
犬の習性や本能を理解し、正しく犬に接することで犬は飼い主さんの期待に大きく応えてくれるでしょう。
これからもピチュンの成長を陰ながら応援したいと思います。
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